独立会計士のおぼえがき

独立会計士として過ごすためのあれこれを文章にしてみる。

きっかけについての話

 はじめまして。公認会計士/税理士のたわしと申します。独立会計士として開業してからそろそろ2年が経とうとしていますが、正直まだまだ手探り状態の日々です。

ブログ開設の趣旨について

 一口に独立といってもその形態は様々です。どんな業務を中心にするのか、一人でやるのか誰かと組むのか、会社を設立するのかしないのか。独立開業してからはそうした選択の連続です。その時になぜその選択をしたのか、その時どう考えたのか、それを文書化しておくことで、初心を忘れないようにしたいと思っています。

 独立にあたって考えたことを文章にすることで整理し、記録に残そうというのがそもそもの趣旨です。そのため、もっとローカルな、例えば全く私的な日記のような形で残すことも考えたのですが、私が考えたこと、悩んだ内容には、これから独立を志す方たちも直面するであろう一般的な内容も多くありました。そうした方々の一助になることもあるのでは? ということで、ブログという形で公開することにしました。

経歴

 南関東生まれの北関東育ち。

 大学進学と同時に上京、在学中に会計士試験の勉強をはじめ、大学を卒業した年の試験に合格、いわゆる卒1のタイミングで大手監査法人に入社しました。

 監査法人では上場会社・非上場会社の会計監査を中心に携わった他、一部アドバイザリー業務などに関与しました。その後退職・独立して今に至ります。

公認会計士を目指すきっかけ

 今回はそもそももそもそもの話、なぜ会計士を目指したのか、というところをまとめたいと思います。

 公認会計士などという職業を目指した理由ですが、お恥ずかしいことに高い志みたいなものはありませんでした。もともと「専門性のある仕事がいいなー」くらいの漠然とした思いはあったものの、必死に就職活動をするのが嫌だったというのが一番正直なところかと思います。三十六計はおろか一計すら試さずに逃げの一手ですね。

 それなりに稼げ、融通がきき、ついでに潰しもきく仕事はないものかということであれこれ考えた結果出てきた選択肢の一つ、それが会計士でした。

 逃げの一手から生まれた選択ではありますが、自分なりに考えていたこともありました。価値観というものは人それぞれで、人一人がそれを網羅することは難しいし無理がある、ならばせめて世の中を見るための基準のようなものが欲しい、という思いがそれです。会計の世界というのは一応は体系的に整備されていますし、ある意味では日本語はおろか英語よりもグローバルな言語とも言えるでしょう。会計の世界は世の中を構成する極々一部に過ぎないものの、そこにある種の基準点、視点のようなものを設定できるかもしれない、というのは魅力的な選択肢ではありました。知識はグローバルなものが学べるのだし、あとは語学を勉強しておけば飯の種には困らないだろう、という打算があったことも事実ですが(更に言えば、それで語学学習に精を出したとは限らないわけですが)。

 大学2年生のころに専門学校に通い始めたものの、すでに書いた通り試験をパスしたのは大学を卒業した年なので、優秀な受験生、というわけでもなかったと思います。

 専門学校に通い始めてから少しすると、会計士業界にも就職氷河期が訪れました(2011年頃)。試験は難関、それに合格しても就職できない可能性も低くない、という状況は精神衛生上よろしくないものでしたが、私が合格した年には逆に売り手市場に転じていました。最短では収まらなかった受験勉強期間という不幸が、あまり苦労のない就職活動という幸いに転じたということでしょうか。

きっかけが意外と大事だという話 

 思い出話に逸れるまえに話を戻しましょう。

 「なんで会計士目指したの?」なんて、監査法人の新人時代に数えきれないくらい聞かれるので、まあうんざりされている方も多いかもしれませんし、会計士を目指した理由云々が独立に何の関係が? と思われるかもしれません。が、これは意外と重要な点であると今では思います。独立をするとどういった身の振り方をするのか、という選択肢の自由度が大きく広がり、同時に、それに向けてどれだけリソースを割くか、という裁量が非常に大きくなります。

 わかりやすい例でいうと、経営に特化したいと思えばそのための方策を練る必要がありますし、いちプレイヤーとして活動し続けたければそうあるための努力が必要です。とにかく稼ぐことが重要という考え方もあれば、余暇を多く確保したいという希望もあるでしょう。

 ただし、独立開業という性質上、周囲に相談すれば目標達成のためのアドバイスくらいはもらえますが、強制されることはありません。当然自己責任で選択を重ねていくわけですが、そのためにはやはり自分で納得できる選択をしていくことが重要です。

 要するに優先順位をちゃんとつけましょう、という程度の話なのですが、その判断に際して、「なぜ会計士を目指したか?」に立ち返ると見えてくるものが意外と多い、というお話でした。

今後について

 本記事は初回ということもあり散文的な内容になってしまいました。次回以降は独立して活動するためのスキームの話だったり、使用しているツールやサービスだったりと、もっと具体的な内容をまとめていこうかと思います。